07ワインは見る
 
 これまでに5種類の赤ワイン用原料葡萄を紹介致しましたが、もうその区別はおつきになりますか。同時にグラスで横一列に並べられますと、きっともうその違いと原料名はお分かりではないでしょうか。
その次のステップはその内の1種類だけを出されて原料名がお分かりになるかどうかです。教室でもこのような練習を繰り返しおこないます。
高級ワインになったり、その他の品種がブレンドされたり、樽熟成されたり、長期の熟成でブーケが生まれていたりしますと、たったの5品種でも結構判断に迷うことになります。
 先ずカベルネ・ソーヴィニオンだけは「分かった!」、いつでも何処でも、カベルネ・ソーヴィニオンだけは「必ず見分ける!」とおっしゃれるようになって下さい。
 ワインの世界ではワインききわけることを「テースティング」とか「デギュスタシオン」とか言います。日本酒の世界では一般に「利き酒」と言いますが「酒を見る」という言い方がありまして私はこの言い方が好きです。「見せて頂く」とか丁寧には「拝見する」とか言うのです。この言い方を皆さんにお勧めするわけではありませんしがテースティングの第一歩は「見る」ことにはじまります。
 この「見る」が不十分なまま、迂闊にその次の香りを「嗅ぐ」段階に進みますと失敗する(判断を誤る)ことになります。
 5種類が並んでいる場面を想定して少し具体的に見分ける手順をお話ししてみましょう。
 先ず色合いが淡いピノ・ノワールとガメーの2種のグループと色が濃い3種のグループに分けます。
 次に淡いグループの2種の内、微かに褐色味を帯びているものを見つけてピノ・ノワール、もう1種をガメーとします。
 次に色合いの濃い3種の内、微かにでも縁に褐色が認められ、やや粘りが重く感じられましたらメルローとして外します。ここまでは何とか「見る」だけで判断がお出来になるはずです。
 残るカベルネ・ソーヴィニオンとシラーを「見る」だけで判断することは可成り難しいでしょう。この段階まで来たときにはじめて(やむを得ず)次の香りを「嗅ぐ」段階に入って下さい。カシスの香りとスパイスの香りがキーになりますが、前者をとらえることが出来ればカベルネ・ソーヴィニオン、スパイスの香りが見つかればシラーと言うことになります。
そこでもう一度「見て」下さい。そして香を「嗅いで」下さい。合点なさいましたか。
貴方は凄い、5種類のワイン原料を口に含むことなく見分けられたことになります。
合点なさいましたら(念のため)しつこく申し上げますが(念のため)口に含んで下さい。
 先ず目でしっかり「見て」分かるところまでは目で判断して絞り込む。「見て」も分からない時に香を「嗅いで」もう一段絞り込む。出来ることなら口に含まないで判断したいものです。(念のために)口に含むのは結構なのですが(分からないから)口に含む所までは出来れば追い込まれたくないと申し上げたいのです。